LITERATURE LAB / 01

文体探偵

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CASE 001 · 文体鑑識

この文章に
混ざっている二人を見抜け。

『徒然草』の兼好法師を土台に、別の作家の文体が忍び込んでいます。言葉のクセを手がかりに、二人の正体とその根拠を推理しましょう。

所要時間 10–15分国語・表現個人探究

EVIDENCE / 本文

混ざりものの文章

精読する

することもなく机の前に坐っていると、世の中というものは、存外せわしなく出来ているらしい。こちらが何もしないでいる時ほど、向こうの方から、昔のことや、まだ起こってもいないことが、勝手に戸を開けて入ってくる。

窓の外では、夕方の雲が薄い銀色になって、電線の上をゆっくり流れている。雀が二羽、何事か相談しているように鳴いているが、もちろん彼らには人間の心配など関係がない。

そこで紙を一枚出して、頭の中を通り過ぎていくものを、そのまま書いてみる。書いているうちに、妙なことに気がつく。自分が考えているのか、言葉の方がこちらを考えているのか、だんだん分からなくなるのである。

鉛筆の先では、小さな黒い文字が次々に生まれる。その一つ一つが、夜空にまだ見えない星のように、遠いところでかすかに光っている。

人間というものは、ずいぶん忙しそうに生きている。けれども、ときどきこうして何もしないでいると、その忙しさの外側に、もう一つ大きな世界が静かに回っていることが分かる。

読みのヒント

気になった「語り口」と「たとえ」を、それぞれ別の色で探してみよう。

TEACHER VIEW / LOCKED

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